〜音が狂う本当の理由と、家庭でできる湿度対策〜
「最近ピアノの音が狂いやすい気がする」
「前に調律したのに、もう音がズレている」
そんなとき、**原因は“湿度”**であることがとても多いです。
ピアノは木でできた楽器。
実は湿度の影響を非常に受けやすい楽器なのです。
この記事では
- なぜ湿度でピアノの音が狂うのか
- 湿度が高い・低いと何が起こるのか
- 調律師がすすめる理想の湿度
- 家庭でできる湿度管理のコツ
を、調律師の視点でわかりやすく解説します。

なぜ湿度でピアノの調律が狂うのか?
ピアノの中には、**響板(きょうばん)**と呼ばれる大きな木の板があります。
この響板が振動することで、ピアノは豊かな音を出しています。
木は湿度によって
- 湿気を吸うと 膨張
- 乾燥すると 収縮
します。
この変化が起こると
- 弦の張力が変わる
- 音程が上下する
結果として、調律が狂ってしまうのです。
つまり、
👉「弾いていなくても音が狂う」
👉「季節の変わり目に音が変になる」
これは自然な現象でもあります。
湿度が高いと起こるトラブル
梅雨や夏場など、湿度が高い時期には次のような症状が出やすくなります。
・音程が下がりやすい
湿気を吸って木が膨張し、弦の張力が弱まります。
・タッチが重くなる
アクション(鍵盤内部の機械部分)が湿気を含み、動きが鈍くなります。
・音がこもる
響板の振動が悪くなり、音抜けが悪くなります。
・カビ・サビのリスク
内部の金属部品や弦が錆びやすくなります。
特に長期間湿度が高い状態が続くと、調律だけでは済まない修理が必要になることもあります。
逆に湿度が低すぎるとどうなる?
冬場やエアコン・暖房の使用時は、湿度が下がりすぎることがあります。
・音程が上がりやすい
木が乾燥して収縮し、弦の張力が強くなります。
・響板にひび割れの危険
乾燥が続くと、響板が割れてしまうことがあります(修理は高額)。
・鍵盤や外装に隙間が出る
木部が縮み、ガタつきや見た目の変化が起こります。
乾燥はピアノにとって非常に危険です。
ピアノにとって理想の湿度は?
調律師がすすめる理想の湿度は、
40〜60%
この範囲をできるだけキープすることで
- 音程が安定しやすい
- ピアノが長持ちする
- 調律の持ちが良くなる
というメリットがあります。

家庭でできる湿度管理の方法
① 湿度計を置く
まずは現状を知ることが大切です。
ピアノの近くに1つ置くだけでもOK。
② 除湿機・加湿器を使う
- 夏:除湿機やエアコンの除湿
- 冬:加湿器
部屋全体の湿度管理が理想です。
③ ピアノ専用の湿度調整剤を使う
アップライトピアノの中に入れる
「ピアノ用防湿・調湿剤」も効果的です。
④ 直射日光・エアコン直風を避ける
急激な温湿度変化は、ピアノにとって大敵です。
湿度管理+定期調律が一番大切
どれだけ湿度に気をつけていても、
日本の気候では年1〜2回の調律は必要です。
特に
- 季節の変わり目
- 梅雨明け・冬前
このタイミングでの調律はおすすめです。
まとめ
- ピアノは湿度の影響を強く受ける楽器
- 湿度が高くても低くてもトラブルが起きる
- 理想の湿度は 40〜60%
- 湿度管理と定期調律で、ピアノは長く良い状態を保てる
「最近音が気になるな…」と思ったら、
それはピアノからのサインかもしれません。
気になることがあれば、早めに調律師へ相談するのがおすすめです🎹